酪農
乳用牛の飼養管理
■JAオホ-ツク網走の酪農について
JAオホーツク網走の酪農家戸数は45戸で、全体の飼育頭数は7,159頭(内搾乳牛頭数4,096頭)です。(令和2年1月現在)年間搾乳量は39,600t前後になります。
■牛乳は年間一人あたり31.6L消費しています
牛乳以外のチーズやヨーグルト、生クリームなど、乳製品の消費も合わせると日本人は1人あたり年間で約90Lも消費しています。
■1日1頭の牛から、約25L以上の生乳が搾られます(年間約7,000~10,000L)
生乳を搾るのは、黒白のまだら模様のホルスタイン、褐色のジャージーやブラウンスイスなどの品種の牛です。
中でもホルスタインは乳量が多く、大人しくて飼育し易い事から国内の乳用牛の約9割を占めています。ジャージー牛の乳は脂肪分が多いので、バターを作るのに向いています。
牛は暑さに弱く、寒さに強いので冬は夏よりも多く乳を出します。
乳用牛で搾乳する期間は、平均5~6年です。体を休ませながら(この間は搾乳しません)、1年間に平均305日間程度搾乳します。
■牛乳にはカルシウムなど栄養がいっぱい!牛乳は栄養の宝庫です。
タンパク質や脂質、カルシウムやビタミンAなど様々な栄養素が含まれており、中でも育ち盛りに必要なカルシウムが豊富で、更に牛乳のカルシウムは体に吸収されやすいという特長があります
※一般に未殺菌乳(搾乳されたばかりの乳)は生乳と呼びますので、ここでは「牛乳」ではなく「生乳」と記されている部分があります
搾乳作業
ここでの搾乳は朝と夕方の2回行われます
酪農家によっては昼も入れて3回搾乳する所もあります
1)牛がミルキングパーラー室(搾乳する部屋)の前で待機しています |
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2)通路を通って入室です |
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3)牛はそれぞれ自分で搾乳場所に入っていきます |
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こちらの牛舎では一度に12頭を搾乳できます | ||
4)搾乳開始です |
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5)乳房・乳頭の消毒
6)前搾り 搾乳の前に手で乳頭を揉んで刺激すると牛に対してこれから搾乳するよ、という合図になります |
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7)清拭 乳頭に付着している汚れを取り除きます |
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8)ミルカー(搾乳する道具)の装着 消毒や前搾りが終ったらいよいよ搾乳開始!空気圧によって乳頭から生乳を搾り、1頭の搾乳に約5分ほど掛かります このミルカーは、搾乳が終わり乳が出なくなると、自動で取り外れます |
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9)搾乳した生乳はパイプラインを通ってバルククーラーという貯蔵タンクに4度で冷却保存されます |
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10)搾乳の終わったミルキングパーラー室(搾乳室)を清掃しています ミルカー(搾乳する道具)も殺菌剤入りの熱湯で洗浄します |
牛舎清掃
搾乳作業と同時進行で、牛舎の清掃が行われます
基本的に朝と夕方の2回清掃が行われます
牛を搾乳のために待機場(ホールディングエリア)に移動させて、 | ||
汚れた敷き藁や餌の食べ残しなどをミニショベルで堆肥舎へ集め、 | ||
堆肥は完熟醗酵すると畑に還元されて、良質な土作りに利用されます |
飼料調製と給餌
酪農家で良く見かけるこちらのタンク。 これは飼料タンクと言い、農協から購入した配合飼料(いくつかの原材料を調合して作られたエサ)が貯蔵されています |
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飼料給餌用ミキサーをトラクターで牽引し、これに配合飼料を入れます 計量式の米びつの様なイメージで、機械で予め設定された量がタンクから出されます |
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これはデントコーンサイレージと言い、飼料用のトウモロコシを密封醗酵させたものです。 | ||
これはグラスサイレージと言い、飼料用の牧草(チモシー)を密封醗酵させたものです | ||
飼料給餌用ミキサーに各サイレージも混合します | ||
そのまま牛舎の中の通路に運び、ゆっくり前進していきながら餌を落としていきます |
ミルクローリーによる集荷
農協の集送乳車(ミルクローリーと呼ばれます)が、バルククーラーに冷却保存されている生乳を回収します
集送乳車は、森永乳業サロマ工場へ向かいます
ミルクローリー車をバルククーラー室前に近づけて停車します | ||
集乳を始める前にアルコール溶液で生乳検査を行い、正常乳であるか確認します | ||
確認後バルククーラーにホースを繋いで吸い取り、全て集乳します | ||
今回の集乳には約20分ほど掛かりました バルククーラーに保存されている生乳は、前日の夕方に搾乳した生乳と、今朝搾乳した生乳で、合わせて出荷します |