肉用牛

肉用牛の飼養管理

JAオホ-ツク網走の畜産について
 
JAオホーツク網走の肉牛農家戸数は42戸で、全体の飼育頭数は3,599頭です。(令和2年1月現在)

肉用牛の種類について
 生乳(牛乳やチーズなど)の生産を目的とした乳用牛とは違い、食肉の生産を目的に国内で改良されてきた肉用牛の品種を総じて「和牛」と呼びます。

和牛は4つの品種に分かれ、

  1. 黒毛和種~国内の和牛でほぼ9割を占めます
  2. 褐色和種~熊本・高知が名産で、別名「あか牛」と呼ばれます
  3. 無角和種~その名の通り角が無く、日本ではあまり飼育されていません
  4. 日本短角種~濃い赤褐色の毛並みをしており、その名の通り小さな角があります。

この他に乳用牛(ホルスタイン種)や黒毛和種などの異なった品種から生まれた交雑種(F1と呼ばれます)もあり、両品種の優れた特質が肉質として表れる事が期待されています。

飼料調製と給餌

ここの畜産農家では1日3回餌やりを行います

飼料調製と給餌   牛舎で良く見かけるこちらのタンク。これは飼料タンクと言い、農協から購入した配合飼料(いくつかの原材料を調合して作られた飼育用のエサ)が貯蔵されています
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 飼料タンクから配合飼料を出します
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌  
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 この飼料は生後~10ヶ月の牛へ与える飼料です
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 左)稲わら~月齢13ヶ月以上の牛へ与えています
右)乾牧草~月齢12ヶ月までの牛へ与えています
この様に月齢と生育目的に応じて餌や飼料を変え、吸収される栄養素に変化を付ける事で良好な肉牛を育て上げます
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 繁殖雌牛(子牛を生産する牛)に乾牧草を与えています
生後約3ヶ月間の子牛には、手作業で粉ミルクを飲ませます
この小さな木箱はカーフハッチと言って、子牛の部屋になります
また、この自動哺乳装置で育成する方法があります。
自動哺乳装置は個体ごとに哺乳量を設定する事ができる事と、何よりも飼育者の作業を省力化出来る事や、子牛が1日を通して自由なタイミングで哺乳(ミルクを飲む)する事ができるなどのメリットがあります。
1)哺乳ボックスに子牛が入ってくると、
 
2)子牛の首のベルトにセンサーが反応し、個体別に決められた乳量(ミルク)が哺乳されます
牛舎清掃

牛がストレスを溜めず、休息が出来る環境を作るため清掃を行います。
ここの牛舎では、一定の期間(約2週間)が経つと敷きわらとフンをまとめて牛舎の外に出します。 牛舎の外に出した敷きわらとフンは、別の施設にて発酵させ、完熟した堆肥を作ります。
この堆肥を畑に還元する事で、良質な土作りに取り組んでいます

※日常的な清掃は別に行っています

牛舎清掃 牛舎清掃 日常このように使われている牛舎の敷きわらをを掃除します
牛舎清掃 牛舎清掃
1)清掃する間、牛を外に出しておきます
牛舎清掃 牛舎清掃
2)大型のショベルで敷きわらとフンを牛舎の外に押し出していきます
牛舎清掃 牛舎清掃  
牛舎清掃 牛舎清掃 清掃の終わった牛舎に新しい敷きわらを用意します
牛舎清掃 牛舎清掃 ロール状になった麦カンを使用します
牛舎清掃 牛舎清掃  
市場出荷(肥育牛の出荷)

畜産農家は、雌牛を飼養して子牛を出産させ、子牛を月齢10ヶ月前後で市場へ出荷する繁殖牛(繁殖経営の農家)と、市場等で導入した子牛や自家生産牛を20ヶ月程飼養して、肉用として出荷する肥育牛(肥育経営の農家)に分かれ、ここの経営は、繁殖と肥育の両方を行っています。

肥育牛は月齢27~32ヶ月が出荷の目安になります
この頃の体重は約750以上にもなります

飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 輸送によるストレスを防止するため、出荷する牛を柵に繋げてビタミンAを投与しています
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 ビタミンAの欠乏は、免疫・消化機能の低下など病気の発生要因となり、肉質にも影響を与えるため、ビタミンAのコントロールは飼養管理の重要な一部で、定期的に血液の検査を行っています
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 牛も初めての輸送はとても嫌がるもので、4・5人掛かりで家畜輸送車へ乗せ上げます
飼料調製と給餌 飼料調製と給餌 愛情を込めて育て上げた牛を出荷する時は、我が子を送り出すような、そんな複雑な気持ちになります。
飼料調製と給餌